【インタビュー】先生/生徒さん/生徒さんのお母さん

お稽古や習い事で新しい先生に連絡するのは、誰でも緊張しますし、この先生で本当に大丈夫かしら?と思います。
また、実際にレッスンをしている生徒さんはどう思っているのかも気になります。
ならば、先生に10年習っている生徒さんに実際どのような感じかを聞いてみましょう。

今回は、生徒さんとそのお母さまにもお話を伺いました。
(先生目をつむってしまってますがいい方です、汗)
75EABB75-A47C-4AEA-B50A-D4FA1A424CF9

【インタビュー】先生/生徒さん/生徒さんのお母さん

ー今日生けたアレンジメントはコチラですね。秋らしいですね(インタビューは2022/9/4実施)

IMG_6403

【先生】
ありがとうございます。
黄色いガーベラなしでリンドウと自宅でやったら、いかにも寂しいので黄色を足したら華やかさが出せました。
うまくいってよかったです。

秋色のひまわり(茶色が入っている)があって、使いたいなと思ったんだけど、お花屋さんにあったのは大きさがバラバラだったので、ガーベラに変更しました・・・花材も色々考えて選ぶんですよ。

ちなみに、いけばなでもひまわりを使います。

ーいけばなでひまわりを使うんですね?

【先生】
格好いいひまわりがあるんですよ。
パンパスグラスにひまわりを1本入れて、吾亦紅(われもこう)を差すと、時間掛けずにカッコよくできます。(笑)

ーアレンジのレッスンや生け花のお稽古の前に、どんな花材にしようか毎回考えるんですね。

【先生】
はい。うちで試したり、写真に撮ってみるとちょっと違うので写真を撮ってみたり、主人が居れば感想を聞きます。
シルエット大事ですよね。

ー今度は生徒さんに伺います。フラワーアレンジメントをはじめてどれくらいになりますか?

【生徒さん】

小学校3年くらいからやって10年くらいですね。
231ECE56-B9D9-42D3-A7F9-AF2EFAB3E825(生徒さんの作品)

ーどうして始めたんですか?

【生徒さん】
ピアノをやめた後に他の習い事を親にやれと言われて(笑)、一番興味があったのがお花だったのではじめました。

ー(笑)ありがちですね。親御さんはこの教室をどうやって探したんですか?

【生徒さんのお母さん】
インターネットも見たんですけれど、大人向けのものが多くてどうしようか悩みました。
※当時このホームページはまだ開設されていませんでした
区民センターで開催している教室があるかも?と思い、区民センターの受付で聞いて、教室一覧の冊子を見せてもらって、この教室を知りました。
他にもお教室があったのですが、曜日の都合が合わなかったり、子供向けでなかったりする中で、廣瀬先生の教室は曜日や時間は相談に乗りますとあり、子供でもOKとあったので、問い合わせしました。
とても気さくな先生で、この先生なら大丈夫かもと思いました。

最初はレッスンについて行ってましたが、途中からは一人で行ってます。
フラワーアレンジメントは行けたお花をそのまま持って代えてくるので小学校低学年の子にとっては結構大きいんですね。
なので、アレンジを持って帰ってくるために、レッスンが終わる時間に迎えに行ったりしていました。
うちは三姉妹なのですが、最初レッスンに付き添っているときは唯一2人でいられる時間だったのでそれはそれでよかったと思います。

あと、先生が毎回ホワイトボードにお花の名前やそれにまつわるエピソードを書いてくださるので、親も勉強になりましたね。
途中で抜けて買い物に行ったりして、結構助かっていましたね。
4052181B-B260-4594-B428-4D212C22D96F

42800BBB-0804-45C8-AD7A-6DCB8127CCCD
(今回のレッスンでの板書です)

ーやっててよかったことはありますか?

【生徒さん】
花に詳しくなったことと、造形力(ぞうけいりょく)の助けになったと思います。(現在美大在学中だそうです)

ー造形力ってなんですか?

【生徒さん】
キレイな形を作る力、ですね。

【生徒さんのお母さん】
美大に行くキッカケのひとつかもしれませんね。

ーなるほど、生ける時は花の細部まで見たりしますか?

【生徒さん】
します、「花の面の方向」を気にします。
花はもともと好きで細部まで観察していましたが、ココで覚えていたことが大学の課題で活きます。
「この形の、この部分の、この造形を、ここで使いたいな」という事があったりしました。
花を分散させて生けるので、その間隔のバランスが絵を描くときに役に立ってます。
バランス、配置、シルエットなど、自然の造形物は美しいですね。

【先生】
最初の頃はメジャー(定規)を使ってやってましたし、今も使ってます。
メジャーを使うと正しいサイズ感が習得できるので、使わなくても自分の目でサイズ感が測れるようになります。
正しい位置、キレイなポイントが覚えられます。
元々いけばなを教えてますが、フラワーアレンジメントも教えたくなり、そのためにライセンスを取らなくてはならない。

その時にメジャーが必須だったので、しっかり覚えられたんだろうなと思います。
メジャーで何センチと言われれば同じようにできるので、いい面があると思います。

ー今まで生けた中で印象に残っているフラワーアレンジメントはありますか?

【生徒さん】
コサージュや花束づくりは楽しかったすね。
アレンジだと三日月型(クレセント)が好きでした。

ーどういうところが好きでした?

【生徒さん】
形が好きです。

【先生】
結構高度なんです、テクニックがいるんです。

【生徒さんのお母さん】
毎年クリスマスでリースを持ってきてくれるのが嬉しいですね。
もみの木がとてもいい香りがするんです。
image0
(昨年末の生徒さんの作品)

【先生】
リースは永遠という意味がありますなどの話も織り交ぜて作ります。
スワッグの方が流行りなので、(世田谷)区報に載せると結構応募がありますね。

ー先生はどんな方ですか?

【生徒さん】
結構優しくて、聞いたら丁寧に教えてくれるのですごくありがたいです。
E9AD591C-05D5-42CC-9A7A-98D9DD33D817

ーどうしようか迷っている方へメッセージをお願いします。

【生徒さん】
お花が好きな人はやるといいと思います。

お花について詳しくなるし、月1回やっているだけでも全然違うので。
あとは、周りにお花を習っている人って今まで会ったことがなくて、驚かれたりします。
お花をやっていることが、一つの個性になりつつあるのでやっててよかったなと思います。

ー例えば誰に驚かれました?

【生徒さん】
「何か習い事やってる?」みたいな流れで話すと、全員に驚かれます。(笑)
大学でプロダクトデザインを学んでいるのですが、生け花の形はプロダクトデザインにおいて大事です。
先生に「お花やっている人」って聞かれると私しかしなくてまた驚かれます。

ーお花をやっている同年代の人に会ったことはありますか?

【生徒さん】
ないですね。

【生徒さんのお母さん】
ピアノや水泳はやっている人いるけど、フラワーアレンジメントは確かにいないですね。
習い事としては、目先が変わってますよね。
私も娘に言われなければ選択肢として挙がってこなかったかもしれません。(笑)
自分の母もいけばなをやっていたので、お正月に生けたりとかしてました。
日本の四季のイベントの時ににパッと生けられるのはいいなと、心得があればイベントにまさに花を添えられますよね。
母の時代は、嫁入り修行にお茶やお花をやっていたんでしょうけど、今時そういう人は珍しいですし、花を生けられるスキルを持っているのは個性的でいいかなと思います。
大学生まで続けるとは正直思ってなかったんですけれど、継続は力なりで上手になっていたんですね。
家族は、月一回持って帰ってくるお花に癒されています。

【先生】
長年やっているので、(お花が)キレイに入りますよね。
若いお母さんは日本文化を学ばせたいので、お子さんが「お花が好き」と段階で生け花やアレンジメントに誘うみたいです。
いけばなは、カラオケが英語でKARAOKEなのと同じで、英語でもIKEBANAなんですよ。
伝統的なものに携わって感じがしますよね。
生け花は「華道」なので極めていくものです。
生のお花を使うというのは、力をもらえます・・・お花をやっている人って年より若く見える人が結構多いです。

日本文化としていけばなをやってみたいな、学びたい、知りたい、という外国の方もいますね。
小原流でも英語で教えられる先生は少ないんですよ。
※先生はいけばなもフラワーアレンジメントも教えられます。

-先生、英語で教えられるんですか?!

【先生】
小原流のページには私一応「可」って書いていあるんです。

昔から外人に教えたいというのがあって。

ーそうなんですね。

【先生】
でも初級ですよ!
簡単な英語のテキストもあるので、見ながら身振り手振りでお教えします。

Available in English、I can teach Ikebana in English.

英語版のページはこちらClick here for English page

キャプチャ
 

ーお子さんのレッスンをしていてどう思いますか?

【先生】
小原流の生け花のこども教室をやっているのですが、初めてのお子さんは言われる通りにきれいにやりますね。
少し慣れてくると、私はこうしたいという思いがあって自分の主張が入る。
友達と会えるのが楽しいから来ているという子もいます。
小学校に入る前のお子さんは、親御さんの方が楽しくてつい熱心になってしまうようです。(笑)
お子さんはお花を触るのが好きな子が多いですね。

ー大人のレッスンはどうですか?

【先生】
言われる通りいける人と、テキストを見ながら生ける人、自分の好きなように生ける人、色々な方がいます。(笑)
形を習得すればそれなりに生けられます、毎回お花が違うので応用力が必要です。

ーどんな時に嬉しいと感じますか?

【先生】
アドバイスが効いてうまく入った時はうれしいですね。

―迷っている人にメッセージをお願いします。

【先生】
お花が好きだったらおすすめですね。
ある程度の形を覚えて自分で続けていくとお花の持っている良さが分かると思います。

お花生けてて楽しいなと思ってもらえると嬉しいかな。
どれが正しいの?と言われると困る。

―正解ってあるんですか?

【先生】
小原流ではあります、寸法も全部決まっています。

そこまで行くのに時間がかかります。
小原流のカリキュラムがあるんですね、段階を追っているので。
小原流独特の生け方、例えば七宝を使ったり、伝統的な生け方は手が慣れないと出来ないですね。

―形式美、ですか?

【先生】
そうですね、自分の目に慣らしていくことで美的センスを養います。
美的センスはもともと持ってるものでなくて、自分で磨いて身に着けることが出来ます。
「ステキな取り合わせ!」と思うものがあるんです、そのコツを知っているとカッコよく見えます。
そこはお任せいただければ、昔から「こういう取り合わせがかっこいい」というのがあるのでご指導いたします、
センスがないとか関係ない、センスは育つものです。

ーセンスは育つんですね!ホッとしました。(笑)

【先生】
育ちますよ!(断言)
自分がいいお花を相手にカッコよくなる、良かったなと思ってもらえるために、自分自身を日々磨いてないと、私の鍛錬です。
勉強してないと、新しい生け方は教えてあげられないし、上の教授連から見ると私もまだまだ、というのあります。

ーなるほど、一生修行ですね。

【先生】
キレイに生けられるように自分も学んでいるんだなと思います。
一方、100のうち90までは教えるけど、あと10はその人の個性だと思っています。
アレンジは毎回悩みます。

―先生でも悩むんですね。アレンジのデザインを簡単にポンと出しているのではなくて、結構毎回考えて考えてレッスンをされているんですね。

【先生】
自分が習ったのそのままやれる訳ではないし、感動がないとね。
材料によって個性が出ればいいし、自分で生けたのがいいなと思って帰ってもらえれば、うれしいです。

●取材後記
出来上がった花の写真を見ることは出来ますが、そのアレンジを毎回考えるのは実は大変なんだという事が今回分かりました。
そして先生自身、お花がとても好きなんだなという事がひしひしと伝わりました。
レッスン(お稽古)は、その「好き」を共有するための場なのかもしれません。

レッスンQ&A

Q.レッスンの時間は何分くらいですか?
A.おおよそ1時間~1時間半です。
ご挨拶から始まり、片付けもして、ご挨拶をして終わります。